甘い体温②・前編・


テキパキと素早くケータイを耳に当てる後藤。


その手際良い動きに思わず関心してしまう。


相変わらず行動力がたくましいことで…



いつものほほんとしてるくせに、いざという時積極的なんだよね。



そう言えば、この学校決めた時もそうだった。


私が大学行って心理学の勉強するって言ったら、「私も!」って、何故か一緒に付いてきた後藤。



「絶対一緒に勉強するの!」



その一点張りで、呆気にとられる私を無視し、本当に同じここを受けてしまった。


そして見事合格。


今、こうして目の前にいるんだよね。


ほんと、その素晴らしい行動力に拍手の一つでもあげたいぐらいだよ…



「よしと、OK、後10分ぐらいで校門の所まで来てくれるってさ」


「え?」


「タクシーもうすぐ来るよ」



後藤がケータイを閉じ、ニッコリと笑う。