次の日。
そんな清々しい気分の中、幸せを噛み締めていた私だったけれど。
「ゴホゴホッ」
「み、三月さん大丈夫?」
軽々しい気持ちとは裏腹に、何故か体は重くなる一方だった。
まるで鉛が乗っかったような感覚に、歩いていた足を止めた。
「なんか寒気する…」
「か、風邪?」
覗きこんだ後藤に、思わず頷く。
朝はこんなに酷くなかったんだけどな…
熱もほんの微熱程度だったし。
やっぱり、昨日あれから裸のまま寝ちゃったのがまずかったんだろうか?
9月だけあって、さすがに朝方は少し肌寒かったもんね。
陽生の腕の温かさにすっかり安心しきって油断していたのかもしれない。