甘い体温②・前編・


「っ……はる……」


「俺が…そんな過去なんかどうでもよくなるぐらい、この先もたくさん愛してやるよ」



耳元でささやかれ、ベッドがさらに大きく軋む。



「覚悟しろよ…逃がさないから」



その言葉を最後に陽生の声から余裕が消える。


聞こえてくるのはお互いの熱くかすれる吐息だけ。


私はもう、泣きながらその甘い波に呑み込まれていくしかできなかった。




心が癒されていく…


触れ合う体温がとても気持ちいい。


深くなるキスも


肌に滑り落ちる指先も


この瞬間、陽生と溶け合う暑いぐらいのぬくもりがたまらなく好きなんだ。


愛されてるって実感できるから…


こんなにも気持ちが満たされていくのが分かるから…