「こうして自分を見つめ直すことができてる。
それに気付けただけでも儲けもんだと思うけど?」
いつの間にかキスをやめ、唇を離した陽生が真っ直ぐ私を見ていた。
「大事なのはそれに気づいた時、同じ過ちを繰り返さないことだ」
「……同じ、過ち?」
「ああ、二度と同じ間違いは繰り返すな」
向けられる真剣な瞳。
肌をなぞる優しい指先。
そのままグイっと腰を持ち上げられて、一気に体を突き上げられた。
「あ……ん……っ!」
たまらずシーツを握り締めた私に、陽生が満足そうに目を細める。
その表情は驚くほど優しくて…
「ま、俺がそんなこと絶対させないけどな」
力強い声と共に、ギュッと抱きしめられる。
重なり合った肌と肌。
それがたまらなく心地よくて、陽生の首に腕を回し、ただ力強くしがみ付いた。



