甘い体温②・前編・


「こうして自分を見つめ直すことができてる。

それに気付けただけでも儲けもんだと思うけど?」



いつの間にかキスをやめ、唇を離した陽生が真っ直ぐ私を見ていた。



「大事なのはそれに気づいた時、同じ過ちを繰り返さないことだ」


「……同じ、過ち?」


「ああ、二度と同じ間違いは繰り返すな」



向けられる真剣な瞳。


肌をなぞる優しい指先。


そのままグイっと腰を持ち上げられて、一気に体を突き上げられた。



「あ……ん……っ!」



たまらずシーツを握り締めた私に、陽生が満足そうに目を細める。


その表情は驚くほど優しくて…



「ま、俺がそんなこと絶対させないけどな」



力強い声と共に、ギュッと抱きしめられる。


重なり合った肌と肌。


それがたまらなく心地よくて、陽生の首に腕を回し、ただ力強くしがみ付いた。