(葛藤ーSide果歩ー)
それから何事も無くあっという間に夏が過ぎ、秋になった。
ほんのり心地いい、だけどちょっぴり切ない季節。
とは言っても所詮はまだ9月。
まだまだ日中は熱いと思うことの方が多いんだけれど…
「う~ん。この季節って着る服に困るんだよね~」
毎年同じようなことを言ってる気がする。
そう思いつつも、困るものは困る。
こればっかりはしょうがない悩みだよね。
「そろそろ秋服が欲しいかも」
ベッドにうつ伏せに寝っ転がりながら一人、呟く。
目の前にあるファッション雑誌と思わずじっくりにらめっこ。
「あ、このジャケット可愛いかも」
ふと。ページをめくる手が止まる。
無意識に声を漏らした瞬間何故か目の前が暗く陰った。



