「果歩は俺が幸せにするって宣言するつもりだ」
「えっ?」
「俺が責任もってお前のこれからの人生を引き受けるって」
「……」
「それがどんな親でも、果歩を産んでくれた人には変わりはないだろ?」
たとえ果歩を捨てた親であろうと。
ずっと、それだけは直接会って言いたいと思っていた。
もちろん果歩自身のけじめにも繋がってほしいという思いも込めて。
それが、今の俺ができるけじめの一つだと思うから…
「だから果歩は安心してこれからも今まで通り俺の隣ににいればいいんだよ。分かった?」
また、ぽろぽろと涙を流し始めた果歩をそのまま俺の腕の中に引き寄せた。
途端ギュッと素直に俺の背中に腕を回した果歩に思わず笑みがもれる。
「不安にさせてごめんな。今朝ちゃんと説明してやればよかたんだけど…」
そう言って強く抱きしめた俺に果歩が首を横に振る。
顔を上げ、安心したように笑顔を見せてくれた果歩に、ようやくいつもの落ち着きがもどってきた。



