「だから安心しろ。俺は何も果歩を引き渡す為に母親に合わせようとしてる訳じゃない」
せっかく掴んだ幸せを自ら手放してたまるかよ。
「約束、したろ?この先もずっと一緒にいるって、一緒に生きていこうって」
そう言って、俺は戸惑う果歩の左手の薬指を持ち上げ、そこに光る指輪をなぞった。
「俺達の約束のしるし…」
それはちょうど去年の今頃。
俺が伝えたプロポーズ。
正直それはまだ仮で、半ば勢いまがいの果歩へのプロポーズだったけれど。
それでもそんな俺に嬉しそうに応えてくれた果歩の笑顔を今も俺は忘れない。
お互いその約束を胸に、自分のできることを精一杯頑張ってるって誓ったんだ。
この先もずっと一緒に生きていくために…



