甘い体温②・前編・


それが相手の思いやりだったとしても。


そんな薄っぺらい関係なら俺はいらない。



「言っとくけど、俺はお前を手放すつもりなんてこれっぽっちもないからな」


「えっ…」


「むしろその逆だ、この先もずっと果歩と一緒にいられるように今朝、あの封筒を渡した」



そのためなら俺は何だってしてやる覚悟はできてるんだ。


この、愛しいぬくもりのためになら…




「お前は誰にも渡さない」


「えっ…」


「絶対誰にも渡さない」


「…は…る…?」


「それがお前の母親でもだ」



たとえそれが実の母親だったとしても



「この先ずっとお前は俺のものだ」