それが相手の思いやりだったとしても。
そんな薄っぺらい関係なら俺はいらない。
「言っとくけど、俺はお前を手放すつもりなんてこれっぽっちもないからな」
「えっ…」
「むしろその逆だ、この先もずっと果歩と一緒にいられるように今朝、あの封筒を渡した」
そのためなら俺は何だってしてやる覚悟はできてるんだ。
この、愛しいぬくもりのためになら…
「お前は誰にも渡さない」
「えっ…」
「絶対誰にも渡さない」
「…は…る…?」
「それがお前の母親でもだ」
たとえそれが実の母親だったとしても
「この先ずっとお前は俺のものだ」



