秀樹のちょっとした掛け声で,私と祐里は泣きやんだ。そして祐里は,「あっ,祐里がPRしたかった事,それやねん!!!!!」と,飛び跳ねる様な明るい表情を見せて秀樹に感謝した。

「最初から神様の話をPRしたかったら,その事をプラカードに書いたら良かったじゃない!!!!」
「せやけど......。祐里,中々そんな事する勇気無くて......。秀樹君,ほんっまに有難うなぁっ!!!!」

明日からは,秀樹も登校出来るそうだ。彼のアドバイスを受け,休日に祐里は私と一緒に,プラカードを作成する事にした。

休日―――。
祐里の自宅でプラカードを作成する事になっていて,愛果は午後から彼女の自宅に出掛けた。どうやら,途中まで祐里はプラカードを作成したらしく,カードには祐里の入学式当初の顔写真が目一杯貼り付けられていた。

「一寸,祐里ちゃん,どうして選挙活動みたいな事してるの!?」
「その方がインパクト強いやん。祐里,目立つのめっちゃ好きやから。」
「目立つの好きって言っても,其処までしなくて良いんじゃない?」
「ごちゃごちゃ言わんと,兎に角作業やぁ~~~~っ!!!!」

二人で言い争いになっちゃったけど,私は“君は愛されている!”の下書きを鉛筆で書いて,その上から赤の絵具で塗った。
祐里は,ハート形に切った色紙を貼った。

作業は1時間足らずで終わった。
一人でやると大変な作業でも,二人でやると早いもんだね。

にしても,このプラカードは目立つだろぅなぁ......。