「い、いいですよ!!」 「その足で走って空港まで行けんのか?!」 てかもう走り出しちゃったし止まるのは無理だ。 「で?どこの空港なんだ?」 行く場所がわかんなきゃ走ってても意味ねぇし。 「あ、えっと……」 とりあえずこっち走ってても意味がないことだけは理解した。 Uターンしてまた走り出す。 視線が俺たちに向けられる。 そりゃそうだ、お姫様抱っこして走ってりゃ誰だって目に付く。 俺だって見ちまうな。 「あの、もういいですから!!タクシーで行きますから!!」 「金がもったいねぇだろ!!」