もう目なんて合わせられない。
私は後ろ向きのまま話を聞いた。
「これ、アンタのでしょ?」
目の前に差し出されたのは私のケータイ。
「すいやせん、中身見ちまった」
…ま、それが普通だよね。
誰のか調べるのに開かなきゃわかんないもんね。
「でさ、アンタ出口先生のこと好きなのか?」
そこまでバレたか。
もうこうなったらヤケクソだぁ?!
「え、えと…好きです…諦めましたけど」
「なんで諦めたんだ?」
「だって、親友関係か崩れるの嫌なんです」
何言ってんの、私?!
そこまで言わなくてもいいよ!?
「そんなんで諦めちゃいけねぇだろ」
え?
「俺もさ気持ち分かるんだよ、ちょっと違うけどな」
「好きな方、居られるのですか?」
「ま、まあな…」
あれ?ちょっと顔、赤くない?
ちょっと誰が好きなのか気になる。

