叶はまだ寝ぼけているのか、ゆっくりとした動作で頷くと、ベッドから立ち上がった。


コイツもいい加減にあたし離れさせないとなぁ、と考えてはいるものの、実はいつまでも叶離れできないのはあたしだと気付いたのは、意外と最近。



「叶、最近あんま食べてないでしょ?
お母さん、心配してた」


保健室のベッド奥のテーブルにお弁当を広げると、これまたのろのろと叶が歩いてくる。



前は1人前を2つ持ってきてたんだけど、叶が食べなかったり、お母さんがめんどくさかったりで、今は大きめのお弁当箱ひとつに2人分を詰めている。


そのため、叶が残しても、あたしが食べれば万事解決。



ただひとつ、あたしの体重以外は。