「彩姫もさぁ、一応女の子なんだから」


そういって手当てをする叶の白くて細い指が、つつ、と傷をなぞる。


痛みに眉をひそめれば、ごめんごめんと言いながらも彼の口角が上がったのがわかった。



「さっきの子、ほっぺ真っ赤だったよ?
彩姫も、やるよねぇ」



終始笑顔の叶に、いい加減腹が立つ。



咎めようと口を開いたところで、そういえば、と思い出す。


「あの子、叶の知り合い?」


叶の手が、一瞬止まった。





(もっとあなたが、)
(そしてわたしが。)