―パンッ!!!

あたしは自分の頬を叩いた。
男の子は不思議そうに見ていた。

「とにかくさ、携帯探そ。
んで、何でも良いからなんか情報を得よう!!!」
「………クスッ
 そうだね。」
「あ、名前は?」
「俺?
そう言うのは自分が先に名乗ってから言うもんだーって先生が。」
「何処指してるの?」
「さぁ?」
もぉー……

「私は……」
本名を言う?
or

嘘をつく?


「どーしたの?」
「私は、サキ」
目を合わせずに、下を向く。
ゔっ………、すごい見てる。
あーーーもぉー!

「私の本名が紗輝子"サキコ"なの!!
だから、サキ。
友達もそーやって呼んでるから」

あれおかしいな?
ちゃんとホントの事言ったはずなのに、
すっごい見られてる!?

「き、キミは?」
「ニコ」
ニコって……
オィィィィィィ!!
嘘でしょ!?
カワイすぎだー!!!!

1人で笑いを堪えていると、

「俺、本名が二小川"ニコガワ"って言うの
だからニコ。
友達もそーやって呼んでるからー」
「真似するのやめよぉね」
「顔怖いよ」
何て話をしたあと、
ゆっくり元いた車両へ歩き出した。