『君へ』







“さよなら”


その言葉はまるで永遠に最期のようで。


永遠に最期だと思って。




悲しくて、
悲しくて、
悲しくて泣いた。






でも。
本当は違うこと、

あとにならなきゃ人はわかんないから…。






君とは永遠の別れでも、
私の恋は最期なんかじゃない。






もう、
君がいなくても泣かないよ。





君のことは嫌いじゃないし、
好きだけど。






“さよなら”






が、なかったら、

私の今ははじまらなかった。


私の恋ははじまらなかった。





私がこの人と結ばれることはなかった。







そう、思える
今はなかった。






だから。


“さよなら”



“ありがとう―――”