飲み会の夜。

普段から学校にきている私にとっては顔見知りが多い飲み会だった。

「智ちゃんもきてたんだぁ!」
「うん!」

専門科目が同じクラスの友達に会った。
友達と楽しく話す私の隣で、愛子は少し肩身が狭そうにキョロキョロとしていた。
普段、学校に来ない愛子には知り合いが少ない。
あまり友達を作ろうとしない性格というのもあるけど・・・。

「智子、私カウンター席にいるね。」
「うん、わかった。」

愛子は、スッーとカウンタ席の方に向かって一人で行ってしまった。
そのとき、一緒にいた他の友達に

「あの子って、不思議な子だよねぇ。美人さんなのに、あまり他の人と関わらないからクールな印象があるんだ、私。」
「たしかに!授業も滅多にこないしね。」

他の友達から見れば愛子の印象というのは、だいたいがそんなもんだ。
間違っていないけど、もっと愛子は可愛い面ももってるのになぁって私は少し思ったりもした。
続々と人が現れ、お酒がはってるのもあって私はおしゃべりに夢中になってしまった。
ちょっとした間にカウンター席をみたが、愛子の姿がない。

(どこかのグループにでも招かれたのかな?)

少し心配になったけど、愛子のことだから大丈夫だろうと思い私は探さなかった。

飲み会もあっという間に閉めの時間になり、各々連絡交換。
私も新しい友達がたくさん出来てとっても楽しかった。
最後の方に店を出ようとしたら、愛子の姿があった。