「私はね、相手が本気で好きじゃなくても付き合える。だって私自身が本気じゃないんだもん。それに、ストレートに気持ちをぶつけてくれた人に出会ったことないし。」

愛子と私の恋愛観はまったく正反対。
だから、私は愛子の考え方が新鮮に感じる。
私は、好きになった人としか付き合えない。
そして、最後は自分が傷つく。
今回もまだ痛手から立ち直れない。
こういうとき、愛子の恋愛観は正しいのかもしれないとかんがえてしまう。

「だから、私は恋愛で泣いたことはないの。智子、そういう恋愛もオススメよ。」

ニコッと天使の笑顔で小悪魔がささやいた。

「そうね・・・。小悪魔さんの言うとおりかもね。」

と、私は小悪魔のささやきに頷いてしまった。


あの日から2週間経過したある日。
私のところに面白い飲み会の話がきた。
学部で店を貸しきって飲み会をするという話。
大学にはいって友達はだいたい出来たけど、まだ知らない人もたくさんいる。
この際、交流を深めて友達の輪を広げようというものらしい。
私は、全然行く気はあったが、同い年の男の子が苦手な愛子は行くのかが引っかかるところだった。
一か八かで愛子に声をかけてみたら、思いがけない返事が。

「ふ~ん・・・学部飲み。いってみようかな。」
「えっ!愛子行くの!?」
「うん。」

私、変わったことでも言った?という顔をする愛子。
予想外な返事。
でも、愛子は一言余計に

「同い年の男の子の低レベルさを検証しに行くのよ。」

と最後に釘をさしてきた。

やっぱり、愛子の眼中にはないんだ。

それでも私は、愛子にとって何かいいことがあればいいのに。と思っていた。

愛子の恋愛を大きくかえる存在を、友達として願っていた。