「だーっ!!もう無理っ!!」 「うっせぇよ」 叫ぶあたしに、間髪入れずに呟く榎本。 呆れたようなこの声が、やけにムカつく。 「そりゃ叫びたくもなるよ、夏休みに学校きて補習、なんて」 確かに成績はよくないけど、そこまで馬鹿なわけじゃない。 ただ、運が悪かっただけ。 それだけで、1週間も"コイツ"と補習なんて、あたしもつくづくツイてないと思う。 目の前の男を睨みつけると、にやり、と笑ったような気がした。