蜜林檎 *Ⅱ*

マンション前、タクシーを
慌てて降りる樹に朔夜は言う。

「イッキ、今度は何があっても
 彼女を離しちゃ駄目だぜ」

「ああ、分かってる」

樹は微笑んだ後、マンション内
へ駆けて行った。

鍵を開ける音と共にドアが開き
驚く樹に、杏は抱きついた。

杏は玄関先で、ずっと樹の帰り
を待っていたのだった。

「おかえりな・・・」

樹は、杏の唇を奪う。
  
二人は、何度も口づけを交わす
  
言葉なんて、もう邪魔なだけ
 
目の前に存在する

愛しい人の姿。

見つめる視線・・・甘い仕草。

その全てが、自分だけに
向けられている。

二人は見つめあいながら
お互いに着ている服を
脱いでいく。

早く、あなた(貴方・貴女)

に触れて
 
ひとつになりたい・・・