蜜林檎 *Ⅱ*

その一心で、酒を浴びる程に
飲み続ける。

今は、何も考えたくない。
   
「イッキの奴
 
 荒れてるな・・・」

席を立とうとした千里に
朔夜は言う。

「誰にも迷惑かけずに
 一人で飲んでるだけじゃん
 放っておいてやろうよ」
 
「そうだな・・・」

酒に酔った樹は、隣で
飲んでいるまりあの手に
優しく触れて冗談を言う。

「マリア
 今夜は俺の傍にいてよ」

「いいよ」
 
まりあの即答に戸惑う樹

そんな樹の頬に、軽くキス
をしたまりあの行動に
一緒に飲んでいた、皆
驚くのだった。
  
「・・・なんて、嘘よ
 他の女の事を想ってる男
 わたし、もう懲り懲りなの」