「本当に、それでいいの?
 イッキよりもソウちゃんを
 愛しているって私の目を見て
 言える、言えないでしょう
   
 どうして、イッキの元へ
 行かないの・・・アン」

「やめて、ユリちゃん
 私は、イツキよりも
 ソウちゃんを愛してる」

百合から目を逸らす事なく
そう話す杏の瞳から
涙が溢れた。

「ついさっき、偶然
 イツキに逢ったの」

『どうして、こんな時に
 イツキに逢うの?
 私はこれから、父に
 ソウちゃんとの結婚を
 許してもらいに行くのに
 ・・・』

「結婚しよう」

蒼一にプロポーズをされて
杏は心から嬉しかった。
 
彼との未来を歩む事に
躊躇いは無かった。

それなのに・・・