「レツ、私を責めなさい
 イッキに何も話さずに
 貴方を産んだ私を
 ずっと二人を騙していた
 私を・・・」

「母さん、俺、本当は・・・
 何となく父さんの本当の 
 子どもじゃない事に
 気がついてたんだ・・・
   
 祖母がお酒を飲むと、よく
 母さんの悪口を父さんに
 言ってた
   
 あんな、普通の家柄の娘と
 結婚する事無かったって
 父さんに子どもを作る事さえ
 できれば、もっと裕福な
 花嫁修業をした才色兼備な
 女性と結婚ができたのに
 
 あんな誰の子供か分からない
 子どもを妊娠した娘なんかと
 ・・・・・・」

「そんな、私からレツを
 取り上げただけで無く
 貴方にそんなことを
 聞かせるなんて、ひどい」

百合の頬を、悔し涙が流れる。

「お酒さえ飲まなければ
 祖母もいい人だよ
 父さんも俺を、ものすごく
 可愛がってくれてる
 俺の全てを受け入れて
 導いてくれる
 俺は、そんな父さんの息子で
 いられることを心から嬉しく
 思ってる、これからもずっと
 その気持ちは変わらない」