雪美が小声で新社長だと教えてくれた。
私はあわててドアの方へ向かいノックしてから中へ入った。
「御堂さんですよね。仕事内容は聞いていただいてますよね」
「はい」
「くわしくは片山さんから聞いていただいて覚えていただきますが今から僕についてきていただけますか」
「わかりました」
白河祐樹はテーブルの上からキーケースを取り上げるとチラッと私を見たあと部屋を出た。
私は足早にその後をついて秘書課に通じるドアを開けて追いかけた。
秘書課を通るあいだに何とも言えない視線が私に集中していたのは言うまでもない。
