驚いている私に部長が追い討ちをかけるように言った。



「里佳さんとは御結婚されたんだが別居しておられるから身の回りの御世話もしてもらわないといけない」


混乱して頭がついていかない


「詳しいことは新社長から直接伺ってくれ」



私が理解する前に話がどんどん進んでいてハッとしたときにはすべての話が終わっていた。


とりあえず今から秘書課に行くように言われた。




会議室を出て落ち着くために化粧室に入った。鏡を見ながら知らず知らずため息がでていた。


ずっとここにいるわけにもいかず身だしなみを整えて秘書課に向かった。



秘書課に入ると同期の雪美が私に気付いて近寄って来た。

「どうしたの?珍しいわね」
と声を掛けられた途端に後ろにあったドアが開き男性の低い声が聞こえた。


「御堂さんですよね。僕がお呼びしたんです。こちらにどうぞ」と先ほど階段ですれ違った男性に声を掛けられた。