「少し待っていて下さい」と声を掛けてキッチンに立つ。


今日は心が癒されるような美味しい料理を作ろう。

ポトフとチキンの香草焼きにパンを添えることにした。



暖かい湯気が器からたちこめているポトフに最後に刻んだパセリを散らしてテーブルに置いた。


どうして離婚したかなんて本人が話さないのに聞くものじゃないから気になったけれどいつもと同じように接した。


はじめは不機嫌な様子だったが食事を食べ始めると表情がやわらいだ。


何気ない会話が続き食事が終わろとした時


「お前はどうするんだ」

とボソッと言われた。



「何がですか?」

いきなりの質問に意味がわからず問い返した。


「結婚だよ。見合い話があるんだろ」


「お見合いなんてしませんよ」


「なんでだ」