「父さんにかなり気に入られてるよな」 私は苦笑するしかない。 「お言葉通りにエスコートさせていただきます」 腕を差し出され軽く組みながら会場を回り始めた。 小声で 「それにしても佐々木社長に俺かなり睨み付けられてるんだけど」 崇さんが囁く。 「そんなことありません。私、佐々木社長にお会いしたこと一度しかないですよ」 私も小声で返す。 周りから見たらかなり親密そうに見えたらしいが当人達は気付いていなかった。