見ないようにしていてもついつい日高社長と社長と奥様を見てしまう。
日高社長と目線があってしまい私の方へ日高社長が歩いてきた。
近くまで来ると
「確か秘書の御堂さんだったよね」
「はい」
私の名前を覚えていたことに驚いた。
「今日は着物だから感じが違うね」
「そうですか?自分ではあんまり分かりませんが…」
慣れ慣れしい態度に心の中でため息をつきつつ営業スマイル。
すると突然手を握られた。
「えっ?」
日高社長の顔を見上げたらにっこり微笑まれてそのまま手を引かれた。
連れて行かれたのは日高会長御夫妻のところ。
日高社長は何故私をご両親のところに?
「連れて来ましたよ」
私が戸惑っていると
「両親が君に会いたがっていたんだ」
確かに会長御夫妻には見覚えがあるような…
