最高の君。


澪音姉ちゃんと陽斗が出て来たのは30分後。



「じゃ陽斗君、今度よろしくね」

「こちらこそよろしくお願いします」



話は進んだみたいだ。



しかも澪音姉ちゃんはあたしがまるで目にはいってないかのように帰っちゃう。




「美桜、何で蹲ってんの」

「…陽斗に関係ないもん…」

「2人きりでいた事にヤキモチか?」

「違うもん……」



素直になれないあたし。



陽斗も黙ってしまって、気まずい。



こんな時何か話してよ…!!



「…聞かないのか?
何話してたか聞きたくないのか?」

「どうせあたしに関係ない事でしょ?」

「まぁ……」

「ならいいもん…」



本当は良くないよ?



知りたいもん。



だけど聞いてあたしはどうするの?



関係ない事聞いて、あたしは何も出来ないじゃん。



「…………」

「…………」

「……ねぇ」

「あ?」

「陽斗はあたしのどこが好きなの?
どこがいいの?
あたしは澪音姉ちゃんみたいな美人じゃないし……」



澪音姉ちゃんと比べるのには、差がありすぎる。



「はぁ~……確かに美桜はバカで家事も出来ないし、顔も普通の凡人」

「ゔっ……」



直に言われると傷つくんだけど……。



「だけど、美桜は明るくて元気で、俺には持ってないような輝きがある」

「へっ!?」



な、に……?



あたし褒められてるの?



輝きがあるの?



あたしにそんなのあるの?



言われてビックリだよ。



だって今まであたしが生きて来た中で、こんな事あった?



しかも"輝き"とか、どちらかと言えば澪音姉ちゃんが……。