アタシはハンカチを美沙に渡した。

「もう2度と自殺しようなんて考えないで…」
「うん…うんっ…ぐす…―ごめんねっ」
「もう…いいから」


それから、美沙はリスカをしなくなった。

母もすっかりよくなった。


「たまには朝ごはん作ってみようかしら!」

今ではこんな事まで言ってる。

無理だろっ!


お母さん…―

料理ド下手じゃん!!


「母さん…ありがとう。でも、オレ朝食作るの好きだから」

そこで、お兄ちゃんがやんわり断る。

ちょっと微妙な感じだけど。


今回は、美沙も母も助かった。

もう…


これ以上、嫌な事は起こって欲しくない。


そう…思ってたのに。


そんなに…―

甘くはなかったんだ。