「美沙…もうこんな事やめようよ。」
「放っといて…―」
「美沙っ…」

アタシが説得しようとしたところで貴一がアタシの頭に手を置いた。


「オレが言う。」
「貴一…」

貴一はアタシより前に出て言った。


「お前…亜希困らせて楽しいかよ?」
「っ…でも、あーちゃんはアタシを必要としてない!」
「そんな事ないっ!」

アタシは叫んだ。


「嘘!!美沙なんていらない人間なのっ!」
「違うだろ」
「…え?」

美沙は貴一を見る。


「こうやって亜希が心配して何度も自殺止めてくれてんのに『いらない』とかいってんじゃねーよ!!」
「あー…ちゃん」


カツーンッ


美沙の手からカッターが落ちた。

アタシは素早くカッターを拾い、美沙を見た。

美沙は泣いている。