「うぅ〜っ…」
アタシは泣いてしまった。
「泣ーくなって!」
頭をなで続けながら、笑う貴一。
「だってぇーぐすっ…」
「亜希はオレの事好き?」
なでるのをやめ、貴一はアタシを見る。
「当たり前じゃん!大好きだよっ!ぐすっ…」
「だから泣くなっ」
「ムリ!」
「ったく…」
貴一は笑顔でアタシの涙を自分の服の袖で拭いた。
「お待たせ致しましたー10番の方ですね?」
店の人が来た。
「あっ…はい!」
「ど、どもっ」
2人は赤面でトレーを受け取った。
「「いっ…いただきまーす!」」
声をそろえて、手を合わせる。

