好きな人ができました


「…そっか。じゃあ、一緒に食お」

貴一はそれ以上、何も聞こうとせずに言う。


「うん…」

食堂には数人くらいしかいなかった。


「いらっしゃいませー」

店員が笑顔で言う。


「Aセット1つください」

貴一が先にたのんだ。


「亜希は?」

アタシの方を見る貴一。


「えっと…じゃあ、サンドイッチで。」

食欲ないけど。


食べなきゃお兄ちゃん、心配するだろうし。

貴一にも心配かけてるし。


少しでも食べよう。


「かしこまりました。番号札をお持ちになってお待ち下さい。」
「はい」

アタシは番号札を受け取った。