「ふうん…」
「さっきはごめん。急に母さんのパート先からメールきて…」
「…―」
もしかして…
「さっき…パートしてる途中で母さんが倒れた。」
やっぱり…
貴一のお母さんも病院にいるんだ。
「えっ…大丈夫なの?」
「幸い、ただの過労だったけど…」
「そっか」
良かった。
どうか、アタシのお母さんも無事でありますように。
チーン
10階についた。
2人一緒にエレベーターを出る。
「あれ?亜希も10階?」
「うん。お兄ちゃんが食堂で何か食べて来いって」
歩きながら話す。
「亜希はどうしたの?」
貴一は心配してくれた。
「お母さんが事故で…今、手術中なの。」
「えっ!?」
貴一は驚いていた。
そりゃ、そうだよね。
「…大丈夫だよ。きっと助かるから」
アタシはムリに笑う。
本当は不安で仕方ないけどね。

