好きな人ができました


サイッテーー!!


こんな時にも腹減るなんて、アタシ最低最悪!!!


「まだ、病院の上の食堂あいてるから食べてくれば?」

お兄ちゃんはアタシにお金を渡した。


「いや…でも…」
「次、亜希が倒れられたら困るから!」

お兄ちゃんはニカッと笑った。


…泣きたいのを我慢している時の顔。


アタシ…

知ってるよ。


父が死ぬ前、手術の時もそうだった。


「うん…」


アタシはエレベーターに乗った。


お腹はすいてるけど、食欲なんてない。


食堂は10階。

チーン


なのに5階で止まった。