好きな人ができました


「亜希!後ろ乗れよ☆」
「…何ソレ。彼氏気取り!?」
「うん!好きダゼ☆亜希♪」

両手を広げるお兄ちゃん。


「…キモッ」
「お兄ちゃんに何て事をっ!?」
「いいよ。電車で行くし。」

アタシはスタスタと歩いた。


「じゃーオレも電車♪」

お兄ちゃんは自転車から降りて、アタシの隣に来る。


「…気使わなくていーのに。」

アタシはつぶやく。


「んー?いやでも、オレは亜希のお兄ちゃんだからね!」
「…」


お兄ちゃんはアタシが何も言わなくても、今日の事分かってるみたいだった。


学校に着くと、お兄ちゃんは

「じゃあな!」

と言って高等部の方に行ってしまった。


「…ありがと。」

アタシはそうつぶやいて、教室に向かった。