「っ…―」
「あーらー。顔、真っ赤!かわいーいー♪」


アタシが何も言えずにいると、お兄ちゃんが茶化した。


「う、うるさい!」
「照れちゃって〜」
「お兄ちゃんの意地悪!!」
「だったら、亜希の事こうやって動揺させる貴一くんはもっと意地悪だな★」


お兄ちゃんは笑う。

「…そうかもね」


アタシはうつむいて席に座り、コンソメスープを飲んだ。


「てか、『お兄ちゃんの意地悪!!』なんて言われると萌えるんだけど!!」
「ぶっ…」

アタシはコンソメスープを吹いた。


「えっ!もしかして、亜希ってオレの事…」
「違うから!」
「ですよねー。貴一くぅん〜、だもんな!!」
「…」

アタシは黙ってしまった。

「あ、オレ言いすぎ?」
「ううん…」


アタシは…

実らない恋をしてしまったのかもしれない。