回想
「貴一は…4年前。小5の時に9歳上の姉ちゃんを事故で亡くした。」
「…―そうなんだ…」
「相当ショックだったみたいで…ずっと落ち込んでた。」
「お姉ちゃん…だもんね」
アタシもあんなお兄ちゃんでも、いなくなったら嫌だ。
でも、貴一はそんな感情ではなかった。
「いや…そうでなくて、親が再婚同士で血が繋がってねーの。」
「…え」
嫌な…予感がした。
「貴一…ずっと姉ちゃんの事が好きだったんだ。」
「…―」
回想終了
カタカタカタッ
アタシがボーッとしていると、コンソメスープが鍋から吹きこぼれそうになっていた。

