好きな人ができました


「受け取ろう!ソコは!」
「ふっ…」
「ふっ…じゃない!!」
「アハハッ…」


アタシは思わず笑った。


「よかった。笑った。」
「…―お兄ちゃん…」


お兄ちゃんはいつもそうだよね。


父が死んだ時もそうだった。

アタシの悲しみにいち早く気づいて慰めてくれる。


「ホレんなよ?」
「バカー!」


アタシはアッカンベーをして、キッチンに行った。


「泣いたらお腹減った〜」
「じゃあ、早めのお昼にする?」


キッチンの入り口からお兄ちゃんは顔を出した。