「ぐすっ…うぅ〜…」
アタシは泣いてしまった。
「よしよし…」
そう言って、お兄ちゃんは頭をなでた。
「ばかー。貴一のばかーっ!うぇ〜ん!!ぐすっ…」
「そーだー。貴一はおバカさんだー」
「もーやだー!ううっ…」
お兄ちゃんはアタシの背中をポンポンと叩く。
「そーだー。貴一なんて、トイレん中に閉じ込められちゃえばいいんだー」
「トイレに流されちゃえばいいんだー。ずびーっ…」
叫びすぎたら、鼻水が出た。
「おわっ!ほら、チーンさろっ」
「あい。チーン」
アタシはお兄ちゃんの持って来たティッシュを受け取らずに鼻をかんだ。

