好きな人ができました


「ごめん…思い出させて。」
「ううん…。あ、貴一は1人っ子?アタシは2つ上のお兄ちゃんがいるんだ。」


すると、

貴一は急に眉間にしわを寄せて悔しそうな、悲しそうな、何とも言えない顔をした。


「き、貴一??」
「あ…オレは1人っ子だよ」


貴一は寂しそうに笑った。

…無理してる。


…―過去に何があったの??


そう聞きたかったけど、聞けなかった。

聞いちゃいけないような気がしたんだ。