クローン

その夜
神様は現れた

「…どうするのか、
決めた?」

「はい…
クローンは…いりません
記憶だって消さなくていい
彼女は僕が思う以上に強かったんだ
だから…
今のままでいい
僕はこのまま死ぬ
…それでいいんですよね?」

神様はなにも言わなかった

長い長い沈黙だった


「・・・・・・・・合格!」

「、は?」

意味がわからない
僕はなにを試されたんだ?
そしてなにに合格したんだ?

「う〜ん良かったよ〜
君が合格してくれて〜」

ちょっと待ってくれ!

「僕はなにに合格したんですか!?」

「あぁ説明が遅くなったね
これは君達の絆を見るためのテストだよ
死を告げられたとき
誰かの命を代わりにするか
クローンを欲しがるか
記憶を消してくれと頼むのか
それが採点基準
恋人や大切な人を悲しませたくない
その一心でどれかをしてしまう人が多いんだ
大切に想ってる人はそれを望んで無いのにね…
彼女の強さを知り大切さも知った君は合格!
これからも彼女を大切にしてね♪



…あっそうだそうだ!死んだりしないから安心してね☆
じゃあね〜」

そう言って神様は消えた

…何だったんだろう?
神様がいなくなった部屋で僕は考えた




まぁいいか僕はこれからも生きれて彼女のそばにいれる
それだけで、今はいい





End