幸福論

俺自作の答えを見ながら丸をつける。
・・・・・あれ?
こいつ、なんでこんなに点数いいんだ?
中間で30点弱しか取れてなかったはずなのに・・・・

「丸つけ、終わりました?」

静かな声がした。

「あぁ、終わったよ。お前、頑張ったんだな。」

『85点』と書かれたプリントを差し出す。
プリントの点数を見て、清浦が怪訝そうな顔をした。

「ん?なんだ?どうした?」

「あ、いえ、驚いただけです。
 こんなに良いとは思わなかったから・・・。」

そう言って、かわいらしく僅かに微笑んだ。
あ、笑ったよ。俺の前で。

「頑張ったんだな、清浦。」

もう一度そう言って、俺はぽんぽんっと清浦の頭を撫でた。
あ、やべ、調子に乗ったかも。

「はいっ」