そうこうして、部屋の前に着いた。
清浦は、いた。
あぐらをかきながら、ぼーっと空を見ていた。

「清浦・・・」

声をかけると、むっとした顔で俺を見た。
あ、怒ってる。
まあ、当たり前か。

「遅いですね、先生。
あたし、授業が終わってすぐ補習だと思ってました。
1時間後から始めるなら、そう言ってください。」

嫌味を言ってるんだろうか・・・。

「すまなかった。」

鍵を開けながら、小さな声で謝罪する。

「はい?」

どうやら聞こえなかったらしい。

「悪かったって言ったんだ。」

「あぁ、そうですか。」

そうですかってなんだよ。