「かーつらーぎせんせっ!」

「あぁ、どうした、笹島。」

「ここの問題、わかんないんですー。教えてください。」

この学校は、時々土曜日も授業がある。
4限しかないとはいえ、本来休日である日に学校に来なくてはいけないという苦痛は、先生も生徒も変わらない。
学生時代の俺は、この土曜の授業が一番嫌いだった。
教員になった今も、それは、変わらなかったりする。

「あー、これはなー、」

とはいえ、わざわざ質問しにきた生徒を邪険に扱うことはしない。

「ほおほお。」

こうやって問題を教えている瞬間が、一番好きだったりするからだ。