「励って何にも興味ないように見えて、実は超負けず嫌いだもんね」


やるからには誰にも負けたくない。

それは誰でも思うことでしょ?


「よし!!じゃあ、あたしが占ってあげる」


そう言うと莉奈は、キャッチボールを中断して近付いてくる。

占い…?




「あたしにジャンケンで勝ったら、励は甲子園行けるからっ」


「ジャンケンって…」


言いかけた俺の言葉を簡単に遮る莉奈。


「ジャンケン…ポンッ」


俺は反射的にパーを出した。

目の前の莉奈の手はグー。


「あ、励の勝ちだね!!甲子園行けるよ!!おめでとっ」


「……ぷっ」


自信満々に微笑まれて、つい俺も吹き出し笑い。

俺がジャンケン強いこと知ってるくせに。


「何よー!!」


莉奈には敵わないなあ。