王子様とお姫様の秘密の決断

外は思いのほか明るく、降りしきる雪がまつげに刺さるのさえ、払うこともせずに、ただ歩いていた。

何処へ向かっているのかさえ分からなくて…

来た道さえも分からなくなっていた。

方向音痴なのを悔いてしまうのは、まだ行きたい場所があるからなのかもしれない。

見たこともない屋敷の前で車を見て、その車が荻野家のでは無い事に、ほっとした気持ちと、少し残念に感じた自分がいた。