リビングに来た俺を見て田中達が駆け寄ってきた。


「陽…?」

「無理だったよ。美陽に断られた」

「…嘘ですよ。だってみっちゃん…」

「でも、諦めるつもりねぇから。絶対に。もう逃げない。…ちゃんと美陽と向き合ってくよ」

「…当たり前じゃない。そうじゃないとあたしも前に進めないし」

「あたしもです」

「おう。頑張るわ。あ…俺明日から大学なんだわ。帰るから、…美陽のこと頼んでいいか?」

「うん、わかった。まだ続けてるんだね、バスケ」

「ああ。じゃあな」


美陽を置いていくのは気が進まねえけど、さっき呼び出しの電話があったし。


田中に任せるしかねえな。







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「一人で帰った…?」

「ごめん…。気がついたら荷物無くて…。タクシーで帰ったんだと思う」

「どこに!?」

「わからない…。ごめん…」

「そっか。わかった。…サンキュー」


どこにいったんだよ、美陽…。