今にも目からこぼれ落ちそうな涙をいっぱい溜めて、下唇を噛み、俺たちの方を睨んでいた。


「…はーちゃん」

「みっちゃん、これは…ね、」


「ごめんね、はーちゃん。やっぱりあたし最低だね…」


「そんなこと…ないよ……っ」


近付こうとする葉月ちゃんを、美陽が止める。


「…来ない、で。あたし、疲れたから部屋に行くね……?」



バンという音を立てて、走り去ってしまった。








美陽が居なくなったリビングでは、俺と田中と、葉月ちゃんだけが残されて、沈黙が続いていた。


「陽、はやく行かないと。美陽ちゃん、きっと待ってるから」


「…わかってる。行ってくる」



リビングを出て、美陽の部屋へと向かった。