あたしに向かって「サンキュー」と言った蓮池先輩の笑顔に思わず目をそらしてしまった。 「ちょっと待ってて。ノート取ってくるからさ」 そう言って急いで部屋に向かったお姉ちゃんを見てふと思った。 あのお姉ちゃんに男友達が居るなんて、初めてのような… 小学校に上がる前、あたしの本当のお父さんがお母さんに暴力をふるっていた頃があって。 それ以来、男子恐怖症になったはず。 「先輩」 「ん?」 でもなんかわかる気がする。 お姉ちゃんがこの先輩と仲良くしたいって思うのも。