数コールしてから聞こえてくる声。これを聞くとすっと気持ちが軽くなる。 「…もしもし。」 美陽、また一人なのか…。 悲しみを抑えて発せられる言葉は、幾度となく聞いてきた。 そのたびにオレには絶対弱音を吐かない美陽。 …頼むから、笑ってくれよ。 オレにもっと頼れよ……… 母さんのことを伝えて素早く電話を切った。受信ボックスにはさっきよりさらに、メールが届いている。 すべて「アイツ」からのメールだった……。